東京電力の送配電が克服できない問題点
企業が末期になると、なぜか景気の良い話がたくさん出てきます。近頃の東京電力がその通りです。まるで原発事故が無かったような状態です。 国鉄の末期と似ている 昭和50年代の国鉄は、みどりの窓口のマルスというシステム、上越新幹線や東北新幹線の開通、さらには有名俳優を使ったテレビCMなど景気の良い話ばかりでした。ところが結局、国鉄は解体されてしまったのです。東京電力も同じような運命を辿る可能性は高いと思います。 高コスト地域という問題 田舎に行って電柱をよく観察してみると、面白い事実がわかります。電柱の変圧器から集落に配電しているのですが、そのうち数軒は空家です。ということは、田舎では東京電力は赤字ということが考えられるわけです。 NTT東日本はこの部分を「高コスト地域」として公表しています。 しかし東京電力は一切公表していません。 これは投資家に対して不誠実な態度と言えます。 NTTのようにうまく行かない 東京電力は分社化されるそうですが、おそらくそのモデルはNTTだと思います。 しかしNTTは前身の電電公社時代から遠距離通話は値段が高かったのに対して 東京電力は都内と田舎、離島で電気料金に差がありませんでした。 これは役所が介入しているからです。しかし新規の送配電会社が参入したら、管内一律料金は通用しません。 またNTTなどはユニバーサルサービス料金と言う名目で、高コスト地域を維持する費用を利用者から徴収しています。しかし、東電や電力会社はこの方法を実施することは無理です。 国鉄のローカル線と同じ運命か 家庭で自家発電機や燃料電池を使用すれば、わざわざ送配電会社を利用する理由はありません。 ここが通信との根本的な違いです。山小屋や船舶を考えればわかりますが、自家発電機を使用しているのです。独立した電力供給が成立しているわけです。 その一方で通信は携帯や衛星電話を使用しています。携帯電話や衛星電話の相手先は有線を使用しているのです。 通信の場合、どうしても繋ぐということが必要になりますが、電力はその必要がないのです。 したがって山間部や離島の送配電は不採算のため廃止される可能性が高い。 これを法律で維持しようと画策した場合、都会の住民が犠牲になってその費用を負担することになり非常に不公平になります。 田舎の...