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ひきこもりがマスメディアから消えた理由

10年前は大騒ぎした「ひきこもり」。最近はテレビで取り上げられることもほとんど無くなりました。せいぜい低視聴率の番組が視聴率欲しさに取り上げるくらいです。特に新聞はこの話題をまったく取り上げません。どういうことなのでしょうか? 国連の原則が関係 まずひきこもりとは簡単に言うと「若年無業者」を指します。 若年無業者とは 15歳から34歳までの就業、通学、家事をしていない者を意味します。 国の統計で使用される用語です。 これを斎藤環氏は社会的ひきこもりと名付け、玄田侑史氏はニートと名付けたわけです。 特に斉藤氏は著書の中でそこに「精神病理学的ゆがみがある、ひきこもりに伴う症状がある」という仮説を提起し、この仮説を治療の根拠としました。 ところが 1991年の国連の「精神疾患の患者の保護と精神健康看護の改善」の 原則4-2では 「精神疾患の診断は、政治的地位や経済状態や社会的地位、または文化的成員や人種、宗教、または精神的健康状態と直接関連のない理由等に基づいてなされるべきでない」 と規定されているのです。 無業者とは「社会的地位、身分」です。その社会的地位が精神疾患と関係、関連があるかのような考え方は禁止されていたのです。 また原則4-1では「精神疾患の診断は、国際的に認められた医療基準に依拠すること」とも書かれています。 というわけで人権に敏感な新聞がひきこもりを取り上げなくなった理由がわかりました。 参考  The protection of person with mental illness and the improvement of mental health care Principle 4  Determination of mental illness  1. A determination that a person has a mental illness shall be made in accordance with internationally accepted medical standards.  2. A determination of mental illness shall never be made on the basis of ...