ゴミ有料化は逆進課税

現在、各自治体で家庭ごみの有料化が実施されています。まだ実施されていない自治体もありますが、住民は自治体指定のゴミ袋を買うことが義務付けられ、その値段にゴミ処理の料金が加わっているわけです。

しかし良く考えてみると、これくらい不公平で逆進性の高い制度はありません。

なぜなら、金持ちも低所得者も同じ金額が課されているからです。
たとえば年収200万円の人と年収800万円の人を比べてみればわかりますが、
食べる量は両者ともに変わりはありません。したがって排出されるゴミの量も変わらないと思います。反って年収200万円の人の方が食費を安くするために、家で調理する頻度が多くなり、ゴミが多くなる傾向があると思います。

人の4倍の収入がある人が、人の4倍の量を食べてゴミを4倍も排出するということはないのです。

つまりゴミ有料化は、低所得者にとってその金銭的な負担は重く、反対に高所得者は軽いということです。明らかな逆進課税です。

さてなぜ自治体はゴミの有料化に固執するのでしょうか?


財政が逼迫していることが第一だと思いますが
タテマエ上はゴミの減量化となっています。
つまり有料化すれば家庭ゴミの排出量を減らすことができて、そのお金で処理費用を工面しようというわけです。

これはナンセンスです。なぜなら人間の身体でたとえると「大便の量を減らせ」と言うこととなんら変わりないからです。
人間が生きていくうえで食料は一定量必要であり、その食料から出る包装、野菜くずなどは一定量必ず出ます。

生ごみを問題視するのはおかしい


さらに自治体が目の敵にしているのが、生ごみです。野菜くずやバナナの皮、魚の骨などです。
つまり焼却炉に水の含んだモノが入ると、それを燃やすために燃料がより多く必要となり費用がかかるというわけです。

そこで自治体は
「庭に埋めろ、生ごみ処理機を使用しろ、ベランダで乾かせ」
と言うのです。

都内で庭を持っている家がどれほどあるでしょうか?
生ごみ処理機を買うにはお金がかかります。さらにそれを使用するには電気代も必要となり、節電が叫ばれている中、ゴミを乾かすだけに電気を使うのはおかしいと思います。
また、ベランダで乾かすのも非常識です。ゴミのにおいはかなり強烈です。


高齢者は弁当食に移行、生ごみは激減


実は高齢化が進むに従い、高齢者の家庭では生ごみの排出量は激減してると考えられます。
なぜなら高齢者は自宅で調理をしなくなり、スーパーやコンビニの弁当や宅配の弁当に依存するようになっているからです。
したがって生ごみはバナナの皮とかミカンの皮といったものしか出なくなっています。これは家庭ごみ有料化の理由自体が成立しなくなっていることを意味しています。


スローフードの否定


さてスローフード運動というのをご存知でしょうか?ファーストフードから脱却し、家で調理をしようという考え方です。この考え方は多くの栄養を摂るうえで正解です。
ところが
ゴミ有料化は弁当やハンバーガーといったものを食べろと暗に言っているようです。つまり国民の栄養状態は偏ったものになり、生活習慣病を多く発生させ、医療にお金がかかるようになり、結果として自治体の経済的負担は増えると思います。

住民に負担を押し付けているだけ


今から18年前のこと、東京都では焼却炉が高温になって傷むからという理由で、炉内の温度を下げるために炭酸カルシウム入りのゴミ袋の使用を都民に義務付けました。

ところがその後ゴミ焼却場で灰溶融炉が使われるようになり、
高温に耐えられるようになり
プラスティックゴミも燃やせるようになりました。

ここでおかしなことが起きました。
炭酸カルシウム入りのゴミ袋は炉の温度を下げるために使用していたのですが、
こんどはその袋を燃やすと燃料がより多く必要となり、当然費用も余計にかかるようになってしまったのです。

結局東京都推奨のゴミ袋はスーパーから自然消滅してしまいました。

ここからわかるのは自治体は場当たり的に何か起きると住民に負担を押し付けるだけということです。住民税を払っているのにそれでも足りない。なんか変です。

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