平穏死は相手にするな

平穏死という言葉をご存知でしょうか?

在宅医療の関係者の一部が主張していることです。
寝たきりの高齢者や末期ガン患者が食べられなくなったら、点滴などをせず、そのまま死なせるという考え方です。
具体的には脱水死させるということです。苦痛が少なく死ぬと言うのです。
それが本当なら安楽死は不必要ですが、日本ではこのような主張が繰り返されているのです。

脱水状態は苦しいのに


実は私はこれまで何度か脱水状態になりました。それは非常にしんどくて苦しいものでした。決して楽なものではありません。
しかし外見では苦しんでいるようには見えないと思います。
高齢者や末期ガン患者でも、脱水状態は苦しいと思います。
なぜヨーロッパで安楽死が行われているかと言うと、脱水状態が苦しいということがわかっているからでしょう。

平穏死を主張する人達には独特の思考があります。
いくつか上げてみましょう。

点滴害悪論


「食べられなくなったら、点滴はするな」
これが彼らの主張です。
彼らによると点滴をすることで、患者が苦しむ、胸水や腹水が増えて患者が苦しむ。痰が増えて患者が苦しむ。
だから点滴はするなと言うのです。
さらに病院で死んだ患者は無駄な点滴で体重が重いが、自宅で死んだ患者は体重が軽い。
だから点滴は良くないと言うのです。

救急医療を批判


さらに救急医療に対して批判をしている人もいます。
それは要するに脱水死に向かっている患者を病院の救急に運んだ場合、
救急医によって点滴をされて台無しにされてしまうからです。

延命治療を批判


平穏死に固執する人達は延命治療を批判します。延命治療とは胃ろうなどです。
実はこの部分は矛盾だらけです。
ステロイドはがん悪液質に対して使用されます。
がん悪液質は聞き慣れない言葉ですが、末期ガン患者に良くみられる症状だそうです。
食欲不振、体のだるさなどの症状があり、そのまま治療しないと要するにガリガリにやせて死亡するのです。
ところがステロイドを使用すると劇的に食欲が回復することがあるそうです。
つまり食べられない状態になっても、食欲回復の方法があり、それによって延命するというわけです。

平穏死を主張する医師の中には、末期ガンに対して明らかにステロイドを使用している人がいます。
その第一の目的は食欲回復のはずです。
つまり一種の延命治療をしているわけです。批判しながらやっているのです。

平穏死は医学的には決して証明できません。
なぜならその死に方が、苦しいかどうかは死んだ本人しか知らないからです。
死人に口無しだから確かめようがありません。

さてここまで読んで、証拠がない殺人方法に気付きました。
たとえば患者が少量の食事しか摂れず、点滴で水分を補っていた場合、
医師が脱水死に固執した場合、点滴を少なくして脱水状態にして殺害することが可能です。
当然、脱水によるせん妄が現れますが、「ガンによるもの」と説明すれは家族は納得するでしょう。まさかそんな医師が存在するとは考えたくありませんが。

それではどのように私たちは平穏死に対応すべきでしょうか。
まず末期がんで在宅医療になったとき、訪問医から
「どこで看取るか」
と聞かれると思います。
その時決して「自宅で」と答えてはいけません。
自宅で看取るということは、平穏死を家族が受け入れたと解釈されると思います。
当然点滴も制限されることを覚悟しないといけません。それは医師による死のコントロールに過ぎません。

死とはあくまで神によってコントロールされるべきことであって、医師がすべきことではありません。


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